新型うつ病

疾患解説

新型うつ病 とは

新型うつ病

 新型うつ病という病態が問題となっています。従来のうつ病(古典型うつ病)と対比させたいい方です。新型うつ病は概念は未だに概念は定まっていませんし、様々な名称で呼ばれています。

ディスチミア親和型うつ病

未熟性うつ病

自己愛性うつ病

未熟型うつ病

逃避型抑うつ

など

本来はうつ病の病像の変化を論じた論文が提起した問題なのですが、最近のうつ病の増加などにも関わっているとされています。

古典型うつ病と新型うつ病

古典型うつ病

自責的

責任感が強い

規範を重んじる

休養することに抵抗がある

生活すべてに影響する

薬物療法が有効なことが多い

新型うつ病

他罰的

責任感に乏しい

積極的に休養を求める

仕事には行けないが遊びに行ける

薬物療法に反応が乏しい

なぜ新型うつ病が増えたか

社会情勢の変化

 過重労働、労災、自殺などの問題に伴いうつ病が注目されるようになりました。

うつ病に対する啓蒙活動が広がるにつれてうつ病の概念が拡大しています。

診断基準の問題

 国際的な診断基準が標準化されるようになると基準項目を満たせばうつ病と診断されるようになります。

診断基準に含まれていない項目については診断に有用であったとしても反映されません。このこともうつ病の増加に関係していると考えられます。

薬物療法の影響

新たに抗うつ剤が開発されると製薬企業のプロモーションもあり抗うつ剤の使用頻度が増えます。

うつ病の診断で薬が使われることも多くなります。また中途半端な薬剤使用が関係しているという意見もあります。

社会経済的な影響

障害年金、精神障害福祉手帳などは適応される病名に制限があり本来は違っていたとしてもうつ病の病名で申請しないと通らない場合があります。診断書についても同様の場合があります。

新型うつ病とされる可能性がある疾患

適応障害

双極性障害

境界性人格障害など

新型うつ病に対する考え方

新型うつ病と古典型うつ病、その境界は明確ではありません。

古典的うつ病と思われるものでも治療経過とともに印象が変わる場合もありますし逆の場合もあります。

価値観、先入観はなるべく排除したいものです。

やはり個々のケースごとに決めつけつけることなくそれぞれに適当と考えられる方法で対応する必要があると思います。

私の個人的感想では新型うつ病が近年特に増加しているという印象はなく、昔から存在していた病態であるように感じています。

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